写真:(C)矢野紀行

 

広島市内の「たかの橋」という地域にある和食店の計画

 

■建築内部での建築 「屋根を内部に持ち込む」

一般的には、屋根は外にあるものである。

外部空間の要素である屋根を建物の中に作ると

屋根の中には小さな場所ができ、

屋根の外は人の往来のある、路地のような場所として感じられる。

人が「かがんで」入るような小さい場所では、親密度が濃い場となり、

数人の親しい間柄の人が集まって食事する場所にふさわしい。

路地や道のような場所は、見知らぬ人どうしが偶然、話を始める事になったりするが、

それは、カウンターのような1人客や 2〜3人の客が座り、異なる集まりの人が座っていて

それぞれの会話が入り混じっていく風景と似ている。

このような親密性の濃度のようなものを設計することがテーマだった。

その濃度は、屋根という1筋の斜めの線を断面図に描く単純な操作によって生じているが、

建築の内部に建築するということが、場の物理的な大きさを超えて、

食事をする時の様々なシーンを導いてくれているように感じている。

 

■内部仕上について

仕上げとしては、シナ合板だけで、すべてを構成した。

繊細なディテールによって組織されたそれぞれ部位は、

外壁のような棚、照明装置としての屋根といったように

疑似的な含みをもたせた形態とし、

材の質感を拡張して、多様なテクスチャとして空間を演出している。

 

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店  主 : 宮 本  一 文

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tel&fax 082-246-8995

 

 

 

 
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